【最新版】転職理由ランキング!みんなのリアルな本音とは?

転職した人にはどんな理由があったのか、知りたいと思ったことはありませんか? 2023年7月~2024年6月の1年間に転職した人の“本音”の転職理由をランキングにまとめました。20代・30代・40代・50代の年代別、男女別の転職理由とその傾向、実際の転職活動に際して面接での伝え方のポイントも紹介します。

転職理由ランキング【最新版】 1位:給与が低い・昇給が見込めない、2位:人間関係が悪い/うまくいかない、3位:社内の雰囲気が悪い

【総合】転職理由の本音ランキング

転職理由の1位は「給与が低い・昇給が見込めない」

2023年7月~2024年6月の1年間に転職した人に、転職理由35項目の中から該当するものを「複数回答」で選んでもらったところ、転職理由の1位は4年連続で「給与が低い・昇給が見込めない」でした。引き続き1位ではあるものの、回答割合は前回の36.9%から3.3pt下がって33.6%となりました。2024年の春闘では賃上げ率が33年ぶりに5%を超えました※が、企業で給与アップの動きが進んだことが影響しているのかもしれません。

※厚生労働省「令和6年 民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況を公表します」

2位は「人間関係が悪い/うまくいかない」(22.7%)で前回の3位から一つ順位を上げ、3位は「社内の雰囲気が悪い」(21.1%)で前回の2位から順位を下げましたが、1~3位の顔ぶれは変わっていません。

「社内の雰囲気が悪い」は、コロナ下だった2020年(4〜8月)には10位圏外、2021年は4位でしたが、新型コロナウイルス感染症が5類に移行した2023年には2位に上昇し、今回の調査でもトップ3にランクインしました。5類への移行によってリモートワークから出社へと方針を戻す企業が多くなり、社内でコミュニケーションを取る機会が増えたことも要因の一つかもしれません。

10位以内で最も順位を上げたのは「労働時間に不満(残業が多い/休日出勤がある)」(20.3%)で、前回の11位から4位となりました。年代別、男女別のランキングでもすべて10位以内にランクインしており、転職理由に挙げた人の職種を見ると、最も多いのが「事務/アシスタント」で、次いで「クリエイティブ」となっています。

労働基準法の改正による時間外労働の上限規制には一部の業種で猶予期間が設けられていましたが、2024年は、この規制がすべての業種に適用になった年でもあります。そういったことから、多くの人の関心が労働時間に向いたのかもしれません。

また、表には掲載していませんが、転職の一番の理由(単一回答)もあわせて調査したところ、1位は「給与が低い・昇給が見込めない」(13.7%)、2位は「人間関係が悪い/うまくいかない」(6.8%)でどちらも複数回答の場合と同じ順位となり、3位は「肉体的または、精神的につらい」(複数回答では6位)と「家庭環境の変化(育児・介護等)」(複数回答では19位)が同率で5.6%%という結果になりました。

 

【総合】転職理由ランキング(1〜10位) ※複数回答可

順位 前年度順位 転職理由 割合 前年度割合
1 1 給与が低い・昇給が見込めない 33.6% 36.9%
2 3 人間関係が悪い/うまくいかない 22.7% 26.6%
3 2 社内の雰囲気が悪い 21.1% 26.9%
4 11 労働時間に不満(残業が多い/休日出勤がある) 20.3% 19.4%
5 9 昇進・キャリアアップが望めない 19.6% 20.4%
6 6 肉体的または、精神的につらい 19.5% 21.5%
7 5 会社の評価方法に不満があった 18.1% 23.3%
8 14 業界・会社の先行きが不安 17.4% 17.6%
9 4 尊敬できる人がいない 17.2% 24.7%
10 12 スキルアップしたい 16.1% 18.8%

順位の変化が大きかったのは「倒産/リストラ/契約期間の満了(会社都合での雇用終了)」

転職理由35項目の中で前回から最も順位を上げたのは「倒産/リストラ/契約期間の満了(会社都合での雇用終了)」(8.5%)で、前回の4.0%から4.5ptアップし、34位から21位になりました。帝国データバンクの集計※によると、2024年の倒産件数は9,901件となり、2013年(10,332件)に次ぐ高い水準になりました。経営環境が苦しくなる企業が増えていることが順位の上昇の要因になっていると推測されます。

※帝国データバンク「倒産集計2024年12月報」(2025年1月14日)

また、前回から最も順位が下がったのは、14位の「社員を育てる環境がない」(前回21.2%→13.1%)と、31位「顧客のためになる仕事がしたい」(前回9.2%→4.5%)で、どちらも前回から7つ順位を下げました。

【総合】転職理由ランキング(11〜35位) ※複数回答可

順位 前年度順位 転職理由 割合 前年度割合
11 10 ハラスメントがあった(セクハラ・パワハラ・マタハラなど) 14.5% 19.7%
12 13 離職率が高い 13.7% 17.9%
13 8 意見が言いにくい/通らない 13.4% 20.8%
14 7 社員を育てる環境がない 13.1% 21.2%
15 17 働く場所を変えたい(勤務先が遠すぎる・近すぎる/U・Iターンしたい) 12.5% 12.7%
16 18 不規則な勤務をやめたい/土日祝休にしたい 12.0% 11.6%
17 15 ほかにやりたい仕事がある 11.4% 15.2%
18 19 個人の成果で評価されない 10.9% 11.3%
19 22 家庭環境の変化(育児・介護等) 10.5% 9.6%
20 26 雇用形態を変えたい 10.2% 7.7%
21 34 倒産/リストラ/契約期間の満了(会社都合での雇用終了) 8.5% 4.0%
22 16 働き方に柔軟性がない(派遣常駐型、リモートワーク不可など) 8.3% 14.2%
23 20 企業がコンプライアンス違反をしている 7.4% 11.1%
24 25 売上目標やノルマが厳しい 6.8% 8.1%
25 22 年功序列 6.6% 9.6%
26 27 けがや病気(家族・自身含む) 6.0% 7.4%
27 21 スピード感が自身に合っていない(遅い・速い) 5.8% 10.9%
27 29 裁量権がない 5.8% 6.6%
29 30 子育てしながら働きにくい環境 5.7% 6.5%
30 28 社内異動で希望しない部署になった 4.7% 6.8%
31 24 顧客のためになる仕事がしたい 4.5% 9.2%
32 31 ルーティンワークが多い 4.2% 5.9%
33 35 人と関わる仕事をしたい 3.7% 3.8%
34 33 転勤が多い/転勤したくない 3.6% 5.1%
35 31 チームで仕事がしたい 3.2% 5.9%

本音の転職理由、転職活動ではどう伝える? どこまで言っていい? 考え方や伝え方のポイントを紹介

今回の転職理由ランキング2024では、上位5位までを評価・昇進や人間関係、労働環境に関する転職理由が占めましたが、どれも転職活動で「本音をそのまま伝えていいの?」と感じる内容だったのではないでしょうか。そこで、転職活動での“転職理由”の伝え方のポイントをご紹介します。

そもそも、面接官が採用面接で転職理由(退職理由)を尋ねるのは、「応募者が自社で活躍してくれそうかどうか」「応募者が入社後にすぐに辞めてしまわないか」を確認したいからです。うその転職理由を言ったり、ごまかしたりする必要はありませんが、マイナス評価につながるような伝え方は避けなければなりません。

転職理由(退職理由)を伝えるにあたっては、「現職(前職)の嫌だった点や不満に思ったこと」ではなく、「自分の理想とするキャリアプラン・働く目的を実現するために最適ではなかった事柄」という観点で考えることが重要です。

例えば、今回1位だった「給与が低い・昇給が見込めない」を転職理由として伝える場合は、「現在の会社では先輩社員の話も踏まえると今後も昇給が見込めない」と、その根拠や責任の所在を明確にできる事実を伝えた上で、「評価制度に魅力を感じ、売り上げに貢献することでキャリアアップを目指したい」というように、応募企業の特性に合わせて将来の展望を伝えましょう。

 

【年代別】転職理由の本音ランキング

20代の転職理由1位は「給与が低い・昇給が見込めない」

20代の転職理由の1位は、総合ランキングやほかの年代・男女別のランキングと同じく「給与が低い・昇給が見込めない」(39.3%)で、割合は前回の35.2%から4.1pt上がり、引き続きトップとなりました。

2位は「人間関係が悪い/うまくいかない」(29.1%)で、こちらも前回と順位は変わらなかったものの、割合は前回の25.9%から3.2ptのアップとなりました。3位には「労働時間に不満(残業が多い/休日出勤がある)」(27.5%)が、前回の5位から2つ順位を上げてランクインしています。割合も、前回の21.7%から5.8ptのアップとなりました。

10位までにランクインしている転職理由を見ると、すべて前回から割合が上がっていることから、特定の理由だけではなく、さまざまな要因が積み重なった結果として転職に踏み切った人が多かったとも考えられます。なお、転職の一番の理由(単一回答)では、前回に引き続き「人間関係が悪い/うまくいかない」(11.9%)が1位となり、年代別・男女別では唯一のトップでした。

【20代】転職理由ランキング(1〜10位) ※複数回答可

順位 前年度順位 転職理由 割合 前年度割合
1 1 給与が低い・昇給が見込めない 39.3% 35.2%
2 2 人間関係が悪い/うまくいかない 29.1% 25.9%
3 5 労働時間に不満(残業が多い/休日出勤がある) 27.5% 21.7%
4 昇進・キャリアアップが望めない 26.2%
5 肉体的または、精神的につらい 25.8%
6 9 会社の評価方法に不満があった 23.2% 19.2%
7 意見が言いにくい/通らない 21.1%
8 業界・会社の先行きが不安 20.8%
9 6 働く場所を変えたい(勤務先が遠すぎる・近すぎる/U・Iターンしたい) 20.7% 20.6%
10 不規則な勤務をやめたい/土日祝休にしたい 20.3%

 

30代の転職理由1位は「給与が低い・昇給が見込めない」

30代の転職理由の1位も総合ランキングと同じく「給与が低い・昇給が見込めない」(36.3%)で、前回に引き続き1位となりました。割合は前回の41.2%から4.9ptダウンとなっています。

2位は「労働時間に不満(残業が多い/休日出勤がある)」(26.2%)で、前回の8位から大きく順位を上げ、割合も前回の19.9%から6.3ptアップしました。また、年代別で2位以内に「労働時間に不満(残業が多い/休日出勤がある)」がランクインしたのは30代のみでした。

3位は前回と同じく「人間関係が悪い/うまくいかない」(25.0%)で、割合は前回の22.8%から2.2ptアップしました。

そのほかでは、5位の「昇進・キャリアアップが望めない」(22.8%)が前回の9位から順位を上げるなどの変化も見られました。30代は、ライフステージの変化や今後のキャリア形成について特に悩む時期かもしれません。そんなときは、自己分析をして、自分の強みや働き方に対する考えを整理するのがおすすめです。dodaのさまざまな診断で、あなたの強みや適性を客観的に把握してみましょう。

【30代】転職理由ランキング(1〜10位) ※複数回答可

順位 前年度順位 転職理由 割合 前年度割合
1 1 給与が低い・昇給が見込めない 36.3% 41.2%
2 8 労働時間に不満(残業が多い/休日出勤がある) 26.2% 19.9%
3 3 人間関係が悪い/うまくいかない 25.0% 22.8%
4 2 社内の雰囲気が悪い 23.2% 23.8%
5 9 昇進・キャリアアップが望めない 22.8% 18.9%
6 肉体的または、精神的につらい 22.4%
7 7 会社の評価方法に不満があった 20.5% 20.2%
8 業界・会社の先行きが不安 19.2%
9 5 尊敬できる人がいない 18.7% 22.5%
10 9 ハラスメントがあった(セクハラ・パワハラ・マタハラなど) 17.4% 18.9%

40代の転職理由1位は「給与が低い・昇給が見込めない」

40代の転職理由の1位は「給与が低い・昇給が見込めない」(34.4%)で、前回の2位から1位になりました。

2位は「人間関係が悪い/うまくいかない」(22.1%)で前回の3位から一つ順位を上げ、「社内の雰囲気が悪い」(21.3%)は前回1位でしたが今回は3位にランクインしています。ただ、どちらとも割合は10pt以上前回から下がり20%台で、1位の「給与が低い・昇給が見込めない」とは大きな差が開きました。

給与面をはじめ、現在お勤めの企業で求めるものが得られない場合は、転職を視野に入れてみてもよいでしょう。

【40代】転職理由ランキング(1〜10位) ※複数回答可

順位 前年度順位 転職理由 割合 前年度割合
1 2 給与が低い・昇給が見込めない 34.4% 34.3%
2 3 人間関係が悪い/うまくいかない 22.1% 34.0%
3 1 社内の雰囲気が悪い 21.3% 37.8%
4 7 昇進・キャリアアップが望めない 19.8% 28.6%
5 6 肉体的または、精神的につらい 18.4% 30.5%
5 労働時間に不満(残業が多い/休日出勤がある) 18.4%
7 4 尊敬できる人がいない 17.6% 32.3%
8 10 業界・会社の先行きが不安 17.4% 24.0%
8 スキルアップしたい 17.4%
10 5 会社の評価方法に不満があった 17.1% 31.8%

50代の転職理由1位は「給与が低い・昇給が見込めない」

50代の転職理由の1位は「給与が低い・昇給が見込めない」(29.3%)で、割合は前回の33.0%から3.7pt下がったものの、順位は前回の2位から1位へと上がりました。

2位は「社内の雰囲気が悪い」(20.1%)で前回の1位から一つ順位を下げ、割合は前回の39.0%から18.9ptの大幅なダウンとなりました。3位には「人間関係が悪い/うまくいかない」(20.0%)が前回の4位から一つ順位を上げてランクインしています。

【50代】転職理由ランキング(1〜10位) ※複数回答可

順位 前年度順位 転職理由 割合 前年度割合
1 2 給与が低い・昇給が見込めない 29.3% 33.0%
2 1 社内の雰囲気が悪い 20.1% 39.0%
3 4 人間関係が悪い/うまくいかない 20.0% 27.6%
4 6 肉体的または、精神的につらい 16.8% 26.4%
5 6 会社の評価方法に不満があった 16.0% 26.4%
6 10 労働時間に不満(残業が多い/休日出勤がある) 15.7% 19.5%
7 9 業界・会社の先行きが不安 15.3% 20.5%
8 昇進・キャリアアップが望めない 15.1%
8 5 尊敬できる人がいない 15.1% 27.0%
10 スキルアップしたい 13.8%

 

【男女別】転職理由の本音ランキング

男性の転職理由1位は「給与が低い・昇給が見込めない」

男性の転職理由ランキングでは、前回から1〜3位に順位の変動はなく、1位「給与が低い・昇給が見込めない」(34.4%)の割合も前回から変化がありませんでした。

2位は「人間関係が悪い/うまくいかない」(22.2%)で、こちらも順位の変動はなかったものの、割合は前回の31.1%から8.9ptのダウンとなりました。3位の「社内の雰囲気が悪い」(20.9%)も同様に、前回の26.0%から5.1ptのダウンとなっています。

前回から順位が上がったのは、8位→4位「昇進・キャリアアップが望めない」(20.4%)、10位→5位「労働時間に不満(残業が多い/休日出勤がある)」(20.1%)、9位→6位「業界・会社の先行きが不安」(19.9%)、圏外→8位「肉体的または、精神的につらい」(19.1%)でした。

【男性】転職理由ランキング(1〜10位) ※複数回答可

順位 前年度順位 転職理由 割合 前年度割合
1 1 給与が低い・昇給が見込めない 34.4% 34.4%
2 2 人間関係が悪い/うまくいかない 22.2% 31.1%
3 3 社内の雰囲気が悪い 20.9% 26.0%
4 8 昇進・キャリアアップが望めない 20.4% 19.3%
5 10 労働時間に不満(残業が多い/休日出勤がある) 20.1% 18.1%
6 9 業界・会社の先行きが不安 19.9% 18.3%
7 4 会社の評価方法に不満があった 19.3% 24.2%
8 肉体的または、精神的につらい 19.1%
9 5 尊敬できる人がいない 16.6% 21.4%
10 10 スキルアップしたい 15.1% 18.1%

女性の転職理由1位は「給与が低い・昇給が見込めない」

女性の転職理由ランキングでは、前回に引き続き「給与が低い・昇給が見込めない」(32.2%)が1位でしたが、割合は前回の40.9%から8.7ptのダウンとなりました。

2位は「人間関係が悪い/うまくいかない」(23.5%)で、前回の10位圏外から大幅にアップしました。3位の「社内の雰囲気が悪い」(21.4%)は前回から順位が変わっていませんが、割合は前回の28.3%から6.9ptのダウンとなりました。

2位の「人間関係が悪い/うまくいかない」以外で前回から順位が上がったのは、9位→4位「労働時間に不満(残業が多い/休日出勤がある)」(20.5%)、7位→6位「昇進・キャリアアップが望めない」(18.2%)、圏外→8位「スキルアップしたい」(17.8%)でした。

【女性】転職理由ランキング(1〜10位) ※複数回答可

順位 前年度順位 転職理由 割合 前年度割合
1 1 給与が低い・昇給が見込めない 32.2% 40.9%
2 人間関係が悪い/うまくいかない 23.5%
3 3 社内の雰囲気が悪い 21.4% 28.3%
4 9 労働時間に不満(残業が多い/休日出勤がある) 20.5% 21.4%
5 4 肉体的または、精神的につらい 20.2% 27.9%
6 7 昇進・キャリアアップが望めない 18.2% 22.2%
6 2 尊敬できる人がいない 18.2% 29.8%
8 スキルアップしたい 17.8%
9 5 ハラスメントがあった(セクハラ・パワハラ・マタハラなど) 16.6% 23.2%
10 8 会社の評価方法に不満があった 16.3% 21.8%