「どこで働く?」を選べる時代に!リモート・出社・ハイブリッドのリアル

新型コロナウイルス感染症が5類に移行してから、リモートワークを廃止する企業が増えた、と聞くことがあったのではないでしょうか。その一方で、リモートワークと出社を組み合わせた働き方(ハイブリッドワーク)が浸透してきたと耳にすることもあったはずです。

リモートワークができる求人はどのくらいある? 今働いている人はどれくらいリモートワークが認められているの? どんなメリット・デメリットがある?

リモートワークの求人は増加傾向。ハイブリッドワーク・フルリモートなど働き方の選択肢は広がっている

リモートワーク求人数の動向

2023年1月~2024年9月に掲載された求人の推移を見てみると、求人全体とリモートワーク求人は、ともに右肩上がりです。新型コロナウイルス感染症が5類に移行して行動制限が緩和された2023年(令和5年)5月以降もリモートワーク求人は増えており、2024年9月には約1.5倍まで増加しました。

グラフ/doda掲載の求人全体とリモートワーク求人の推移

ハイブリッドワーク・フルリモート(完全在宅勤務)とは?

2023年1月~2024年9月に掲載された求人の推移を見てみると、求人全体とリモートワーク求人は、ともに右肩上がりです。新型コロナウイルス感染症が5類に移行して行動制限が緩和された2023年(令和5年)5月以降もリモートワーク求人は増えており、2024年9月には約1.5倍まで増加しました。

一口にリモートワークといっても、ハイブリッドワーク、フルリモートといった種類があります。それぞれの違いは以下のとおりです。

ハイブリッドワークとは

ハイブリッドワークは、出社とリモート勤務を組み合わせた働き方です。週に数日はオフィスなどの会社が定める場所で働き、残りは自宅などのリモート環境で勤務します。

フルリモート(完全在宅勤務)とは

フルリモートは、従業員がオフィスなどに出社をせずに、自宅などの完全なリモート環境で仕事をする働き方です。対面での作業が求められる場合など例外的に出社する場合もあるものの、基本的には業務はリモートで行われ、出社は例外的なケースに限られます。

ハイブリッドワーク、フルリモートなどの働き方は、必ずしも求人情報の中で明記されているとは限りません。求人情報には記載されていなくてもフルリモート可能だったり、求人情報には「リモートワーク可」と書いてあっても出社がメインでリモートワークは月に数回程度が前提となっていたりと、その実態はさまざまです。希望の働き方はかなうのか、入社後に希望した働き方ではなかったとならないように、選考の際にしっかりと確認しましょう。

リモートワーク求人が多い業界は?

掲載されているリモートワーク求人を15の業種別に分類したところ、最も割合が多かった業界は、「IT・通信」で26.7%でした。それに、「メーカー(機械・電気)」が15.5%、「建設・プラント・不動産」が11.7%で続きます。

リモートワーク(ハイブリッドワーク・フルリモート)の実態を調査!

世の中のビジネスパーソンは実際にどんな働き方をしているのでしょうか。また、新型コロナウイルス感染症が5類に移行してから1年以上が経ち、リモートワーク(ハイブリッドワーク・フルリモート)が認められている人は、どのくらいいるのでしょうか。
15,000人のビジネスパーソンに調査した結果を解説します。

社会人はどんな働き方・働く場所を求めている?

「もし自由に選べるとしたら、あなたはどのような場所で働きたいですか」と尋ねたところ、最も多かったのは、「出社」で53.7%でした。次に多かったのが「ハイブリッドワーク」で32.8%、それに続く「フルリモート」は13.1%でした。「リモートワーク(ハイブリッドワークとフルリモート)」の合計は45.9%であり、「出社」を希望する人のほうがやや多いものの、リモートワークを希望する人も約半数に上ることが分かります。

Q. もし自由に選べるとしたら、あなたはどのような場所で働きたいですか?

グラフ/出社、リモート、どのように働きたいか

リモートワーク(ハイブリッドワーク・フルリモートワーク)が「認められている」と回答したビジネスパーソンの割合は48.8%。前回調査との差は-2.4pt

現在勤めている会社で、リモートワーク(ハイブリッドワーク・フルリモートワーク)が「認められている」と回答したビジネスパーソンの割合は48.8%でした。これは、前回よりも2.4pt減少しています。

一方、「認められていない」という回答の割合は37.7%から38.9%へと1.2pt増加しました。ここから、新型コロナウイルス感染症が5類に移行した後にリモートワークを「認めない」方針に変えた企業がやや増えたのではないかと推察されます。

Q.あなたのお勤めの会社ではリモートワークが認められていますか?

認められている 認められていない 分からない
2024年度 48.8% 38.9% 12.4%
2023年度 51.2% 37.7% 11.2%

ハイブリッドワークが「認められている」人は週に何回出社している?

リモート勤務と出社のハイブリッドワークが認められている人は、週にどのくらいリモートワークを実施しているのでしょうか。最も多いのが「リモートワークは週2~3日」という人で40.1%です。それに、「週1日」が38.0%、「週4~5日」が14.1%で続きます。

Q. ハイブリッドワークをしている人にお聞きします。リモートワークを週に何回していますか。
※週によってリモートワークの頻度が変わる場合は、直近3カ月の平均でお答えください。

 

グラフ/リモートワークを週に何回するか

リモートワークのメリット・デメリットは?

リモートワークのメリットとデメリットのコメントをそれぞれ見てみると、 リモートワークのメリットとしては前回調査と同様に「家庭との両立」が挙げられました。また、「通勤のストレス軽減」「体力的な負担が少ない」など心身の負担の軽さを評価するコメントも見られました。

リモートワークのメリットに関するコメント

  • 通勤時間がなくなることで通勤のストレスが緩和され、睡眠時間や自分のために使える時間が増加した
  • 通勤で消費される体力を温存できる
  • 家庭の事情やその日の体調により在宅勤務などを選びたい日は、リモートワークが認められていて良かったと感じる

リモートワークのデメリットに関するコメント

  • 自宅に仕事ができる環境を用意する必要があり、電気代が上がった
  • ちょっとしたことを隣の席の人に相談したりできない。また、集中力が途切れやすい
  • プライベートとの区切りがつけにくい

前述したとおり、自由に働き方を選べるなら「出社したい」と答えた方が半数以上見られました。リモートワークのデメリットとして「コミュニケーションのため出社がしたい」「出社のほうが業務に集中できる」といったコメントも見られ、コミュニケーションのしやすさや業務効率の観点から出社を希望する方がいると考えられます。ほかにも、自宅などの環境で業務を行うため、仕事とプライベートの区切りがつけにくいといったコメントも見られました。

 

今回の調査では、新型コロナウイルス感染症が5類に移行して1年以上が経ち、出社をしたいと考えるビジネスパーソンの声も少なからず見られるようになってきたことが分かりました。

「境界マネジメント」という言葉がありますが、リモートワークには、仕事とプライベートの境界があいまいになってしまうというデメリットもあり、仕事とプライベートをいかに管理するかが課題です。今回の結果からも「プライベートの区切りがつかない」といったコメントが上がりました。

一方で、働き方の多様化により、家庭やプライベートの事情によってはリモートワークで働くという選択肢が必須と思っている人も多いのではないでしょうか。

リモートワークを廃止する企業がある一方で、リモートワークと出社の両方を組み合わせたハイブリッドワークを採用する企業も増えてきています。
リモートワーク(ハイブリッドワーク・フルリモート)が可能な求人掲載数は右肩上がりに増えており、求人の選択肢は広がっています。

今回の結果を参考に、ぜひ自分に合った働き方を考えてみてください。